今朝の朝日新聞(2012年12月31日)朝刊(3頁)は「UE社がカジノ用地を違法取得」したと報じています。昨日の関連記事です。
朝日新聞の記事によると、
- UE社は、フィリピン現地法人「イーグルIランドホールディングズ(イーグルI社)を通して、マニラのカジノ用地を買収した。
- フィリピン司法省はこの土地買収が違法であるとして、カジノ営業を認めないように娯楽賭博公社に対して勧告した。
- フィリピン国会公聴会も違法な土地取得を重くみて、カジノ免許付与を巡って紛糾している。
- フィリピンでは株式の60%以上をフィリピン国民が保有していない企業の土地取得は認められていない。
- イーグルI社の株主構成は、4割がUE社の米国法人「アルゼUSA」、6割がフィリピン法人であるが、フィリピン法人の株式の4割はアルゼUSAが保有していた。
- つまり、アルゼUSAはイーグルI社の株式を直接・間接的に計64%保有していることになる。
- よって、イーグルI社による土地取得は土地取得に関する規制に違反しており、違法である。
- UE社は12月12日にフィリピン地場大手企業と提携して株式を譲渡する計画を発表したが、違法状態の解消を目指すためとみられる。
- UE社は朝日新聞の取材に対して「違法との認識はないが、法令順守体制の強化に取り組む」と答えた。
とのことです。
この朝日新聞の記事が仮に真実であるとした場合、カジノ用地取得がフィリピン国内法上の土地取得の外資規制に違反していたということになります。
しかし、昨日のFCPA違反疑惑の報道も含めて、UE社から朝日新聞の記事掲載に対するコメントは現時点で公表されておりません。上場企業の社会的責任という見地からは、同時に、企業防衛の観点からしても(年末年始という時期だからこそ)迅速な対応が望まれているのではないでしょうか。