時事通信が本日(2014年10月27日)、「フジクラの中国における連結子会社が非公務員に対する贈賄の疑いで、同国の地方検察当局から8月に起訴された。他に同社の中国人営業幹部が贈収賄の疑いで、外部の民間コンサルタント会社の中国人社員が収賄の疑いで起訴された」旨を報じています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014102700758
株式会社フジクラの公式サイトには、以下のような内容のプレスリリースが公表されています。
http://www.fujikura.co.jp/newsrelease/__icsFiles/afieldfile/2014/10/27/newsrelease20141027.pdf
- 中国の子会社「珠海藤倉電装有限公司」(FZL社)は、フジクラが49%、フジクラ電装が51%を出資する連結子会社である。
- そのFZL社の中国人営業幹部を、2014年3月以降、中国の地方検察当局が「贈収賄」の嫌疑で調査した。FZL社も関係書類を押収された。
- 2014年8月18日、中国人営業幹部と他の個人、及びFZL社が「非公務員に対する贈収賄」の嫌疑で起訴された。近日中に第1回の裁判が行われる予定
- FZL社は、このような嫌疑を受けたことを重く受け止め、既に内部監査機能の強化、法令遵守の教育等を実施しており、再発防止に務める。
- 事実関係の確認は裁判での開示を待たざるを得ない状況。判決等による一定の結論に至った場合は改めて情報開示を行う。
このプレスリリースによると、FZL社が営業幹部等とともに「贈収賄」で起訴されたという表現なので、贈賄側と収賄側の双方を兼ねているようにも読めます。
しかし、時事通信の報道によれば、贈賄と収賄双方の疑いをかけられているのは営業幹部だけで、FZL社自体は「組織体」(≒法人)による「非公務員に対する贈賄」(つまり、刑法164条1項)、外部の民間コンサルタント会社の中国人社員が「収賄」(おそらく非公務員による収賄罪(刑法163条)でしょうか)の被疑事実で起訴されたということのようです。事実関係の確認が裁判での開示を待たざるを得ないという状況とのことですが、内部監査、内部統制の限界を吐露した正直なプレスリリースだと思われます。