米国SECが2015/9/28に発表したところによると、日立製作所がFCPA違反で起訴され1900万ドル(約23億円)の制裁金を払う和解に合意しました。
SECによると、日立の南アフリカ法人が、南アフリカの与党「アフリカ民族会議」(ANC)のフロント企業(Chancellor House Holdings (Pty) Ltd.)と合弁で現地子会社を設立したのが2005年。この現地子会社の株式25%はANCフロント企業が出資したそうです。その後、日立製作所は二つの発電所建設を政府系企業(Eskom Holdings SOC Ltd., )から受注することに成功、フロント企業に「配当」として500万ドル、「成功報酬」として100万ドルを支払ったが、このうち「成功報酬」分は「consulting fees」名目で計上されていたとのことです。これらの支払いについて、実質的には「外国政党」への支払いであったにも関わらず適切に会計処理をしなかったということで、FCPAの会計条項違反で日立製作所は起訴され、日立は認否をしないまま1900万ドル(約23億円)の制裁金を払う和解に合意したというものです。
http://www.sec.gov/news/pressrelease/2015-212.html
これは、日本企業による外国「政党」への賄賂が摘発された初めてのケースです。FCPAは贈賄の相手方として、「外国公務員」(foreign official)や「外国の公職候補者」(candidate for foreign political office)と並んで、「外国の政党・職員」(foreign political party or official thereof)を列挙しているのが盲点でした。
また、アルストム事件やFIFA事件の流れで注目されるのが、捜査協力体制。DOJ/FBIは当然として、アフリカ開発銀行(AfDB)と南アの金融安定理事会 (FSB)が捜査に関与している点が注目されます。
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