インドネシアの「KPK」について

住友商事インドネシア外国公務員贈賄疑惑事件ですが、インドネシア運輸省のスミノ・エコ・サプトロ局長は、インドネシアの汚職撲滅法2条1項及び3条違反の疑いでKPKによって逮捕されました。

KPKとは、インドネシアの「汚職撲滅委員会」という組織です。
今回は、このKPKについて、簡単に解説したいと思います。KPKの公式サイトはココです。

http://www.kpk.go.id/

KPKは2003年、当時のメガワティ大統領の強い意向で設置されました。インドネシアの汚職に対して国家警察と検察による対応だけでは不十分だということで、大統領直轄の汚職捜査機関として設立されたのです。

その設置の根拠となった法律は、2002年制定の「汚職犯罪撲滅のための組織設置法」(UU RI No. 30/2002 COMMISSION FOR THE ERADICATION OF CRIMINAL ACTS OF CORRUPTION)というものです。

KPKは同法2条で、「汚職撲滅委員会」(the Commission for the Eradication of Corruption)という名称を与えられています。インドネシア語の原語は「Komisi Pemberantasan Korupsi」。それゆえ略称が「KPK」となっている訳です。

さて、汚職に関して新たな組織を設置するとなると、既存の国家警察や検察との権限(管轄)の分配・調整が問題となる訳ですが、同法は、新設するKPKに次のような権限を付与しています。
KPKの基本的な機能は、汚職案件に関する捜査・起訴・訴訟追行の「調整機能」ですが、警察・検察が手掛けている汚職案件を(むりやり)引き継くことができ、また、政府高官や法執行機関の職員(警察官や検察官)が絡んだ汚職案件や、公共の関心事項である汚職案件、あるいは10億ルピー以上の国家損失を招来する汚職案件については、捜査・起訴・訴訟追行権を直接行使できます。

その独立捜査権の為にKPKに認められている武器が、「盗聴」、被疑者の「海外渡航禁止命令」・「停職命令」、「金融機関に対する情報開示請求権と口座凍結命令」や「財産・税務情報の収集権」等です(12条)。

なお、その他、汚職の防止策や監視もKPKの任務とされています。

このように、法律上は強大な権限を認められているKPKですが、実際は、政治的な思惑で力を発揮できていないという評価がもっぱらのようです。

この辺りの事情については、また次の機会に(機会があれば)
お読みいただきまして、ありがとうございました。

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